ここはべスパー
商人や職人、冒険者などで賑わう町
この町で僕は小さな小鳥と出逢った

出てきたのは、少し大きめのバック
「お〜これは・・・」
中をのぞいた仲間たちから驚きの声がもれる
「Hiroこれなに?」
「どれどれ・・・」
Skyに尋ねられて僕も覗く事にした
袋の口からバックの中をのぞきこむ
中に入っていたのはケーキだった
保存の魔法でもかけられていたのであろうか
たった今出来上がったばかりかのようなケーキが4つ・・・
(土の中から・・・ケーキ?)
そもそも土の中に入れておく必要が・・・
「おお・・・」
「ケーキだ・・・」
「なぜにケーキ・・・」
仲間も同じ考えなのだろう
なんと言ったらよいのわからず
ただ驚きの声を出していた
なぜか皆、言葉に余韻がついている
「Hiroこれはなになの?」
再びSkyに尋ねられ僕はケーキを説明してあげた
「これはケーキといって食べると甘くておいしいお菓子です」
「あまくておいしい!」
さっそくSkyはケーキを食べ始めた
たちまちケーキのうち1つはSkyのお腹に収まってしまった
「あまくておいしい〜」
どうやらSky はケーキがとても気に入ったようだった
・・・痛んではいないようだ
「あまくておいしいよ みんなでたべようよ」
Skyは皆とケーキが食べたいようだった

その時またSkyの体が変化した
翼が大きくなり、体つきもしっかりし
鷲のような姿はこれまでの小鳥のイメージと違い
逞しさが感じられた
しかし
「また成長した・・・」
「どちらかというと進化だな」
と、驚く仲間たちをよそに当のSkyは
「ケーキたべようよ〜」
と言いながら、僕らの周りを飛び回っている
やはり姿は変わっても、中身はそのままのようだった
そんなSkyに安心した僕はケーキに目を戻した
ケーキは残り3つ、と不意にそのうちのひとつが消えた
「ごめん・・・くっちゃった」
我慢できなくて食ってしまったらしく
仲間の一人が申し訳なさそうにいった
どちらにしろ2個や3個では仲間で分けることもできないし
Skyにも、もっと食べさせてやりたい
僕は苦笑いをしながら答えるしかなかった
「じゃあ、一度町に戻って皆でケーキを食べに行きましょうか」
こうして僕らは再びべスパーへ戻ることになった

「Hiroここでケーキが食べられるの?」
「ええ、ここでなら皆でケーキが食べられますよ」
物珍しそうに店内を見回すSkyに僕はいたずらっぽく答えた
べスパーに戻った僕たちは酒場に向った
食料市場のパン屋で買おうかとも思ったのだが
酒場なら皆で座ることもできるし
料理人が2人居るので、この人数でもまかなう事ができるだろう
もっとも、仲間たちは酒が飲めることのほうが嬉しそうだったが・・・
とにかく、ここで僕らは食事をとることにした
それぞれ酒や食べ物、それと店にある全部のケーキを注文する
僕らはそれぞれにテーブルを囲み、食べ物を待った
Skyも僕の横に座り(?)ケーキが運ばれてくるのを待つ
テーブルに盛られる食べ物と飲み物
そして、うず高くつまれたケーキの山
「けーき、けーき!」
たくさんのケーキを前にSkyはおおはしゃぎだった
「さ、食べるとしょうか」
「うん!」
食べている間もSkyは酒場の中が気になって仕方ないようだった
店内を興味深そうに眺めている
「Hiro あの人は何をしてるの?」
「ああやって何が食べたいのか聞いてまわっているんですよ」
皆の注文を聞いてまわっている酒場のウエイターを見ながらSkyが尋ねた
どうやらSkyは店員を特に気に入ったようだった
「いらっさいませ!、なににしますか〜」
と、ウエイターのまねをして、皆に注文を聞いて回るSky
「Sky、聞くときは『いらっしゃいませ』ですよ」
「いらっしゃいませ!いらっしゃいませ〜」
「じゃあミルクをお願いしようかな」
「かしこまりました〜」
仲間たちも笑いながらSkyに注文をだす
しばらくそんなたわいもない、
けれども、かけがえのない時間が過ぎた
ふとSkyがテーブルの上に載っているものを見て足を止めた
「Hiroこれはなに?」
「うん?ああ、これはお酒ですよ」
「おさけ?」
「そう、お酒」
テーブルの上にはリキュールのビンが置かれていた
おさけってなに?といつものように質問するSky
僕はどう答えようか迷った挙句に
「そうですね 大人になるとよく飲むものです」
と、こたえた、
「おとな・・・?」
ごくごく
「そう、まだSkyには早いかも・・・ってまった!」
僕は言い終わらないうちにあわててSkyから
酒のビンを奪い取った
ビンの中身はすでに半分になっていた
「う〜にがいよう〜」
「は・・・はは・・・」
「とりあえずこれを飲みましょう」
僕はあきれながらもSkyにミルクを飲ませた
「にがかったよう・・・」
「まだちょっとSkyには早すぎるようですね」
「うん・・・」
酔っているのだろうか、少しふらふらしながらも、Skyはなんとかベンチにたどりついた
「あ・・・あれ?」
「どうしました?」
「ぐるぐるする〜」
「ほらほら、だいじょうぶです?」
ぼくはSkyを支えながら顔を覗き込んだ
「Hiro〜」
「今度はどうしました?」
「Hiroが二人いる〜〜」
「・・・のみすぎです」
苦笑いをしながら僕はSkyを横に座らせ、しばらく酔いがさめるのを待つことにした
さすがにSkyもおとなしく酔いがさめるのを待った
・・・もしかしたら二日酔いで気分が悪くなっていただけかもしれないが
すこしして、酔いもさめてきたころ
Skyの体は再び変化を始めた・・・
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